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「セラミド」とは、肌にとって欠かせない潤い成分である。

セラミド」とは、肌にとって欠かせない潤い成分である。

近年、スキンケアやインナーケアの分野で「セラミド」という成分がよく取り上げられるようになっている。

セラミドが配合されていると肌によさそうだけど、実際に何なのかよく分からない」という疑問を持つ人も多い。

アンチエイジングの第一人者である日比野佐和子先生によると、「セラミド」とは一体何なのか解説していきます。

 

セラミド」とは、表皮の角質層の中にある「保湿因子」の一種です。肌の潤いを保つための成分の中には、「皮脂膜」、「天然保湿因子(NMF)」、「細胞間脂質(さいぼうかんししつ)」がありますが、その中でもセラミドが特に重要です。細胞間脂質の50%以上を占めているため、保湿効果が高いとされています。

 

細胞間脂質とは、角層細胞の間にある脂質のことです。セラミドを中心とした脂質が水分を挟み込んで、何層にも重なっています。この層がバリアの役割を果たし、肌を外部からの刺激から守っています。

 

私たちの皮膚は、外側から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つで構成されています。そして皮膚の一番外側が「表皮」です。表皮には、細胞間脂質やNMF、皮脂膜などの保湿成分が豊富に含まれているため、肌の潤いを保つための大切な役割を担っています。

表皮は、外側から「角質層(かくしつそう)」、「顆粒層(かりゅうそう)」、「有棘層(ゆうきょくそう)」、「基底層(きていそう)」の4層に分かれています。

 

セラミドが含まれているのは、表皮の中でも一番外側にある「角質層」です。

角質層はわずか0.02mmの厚さしかなく、紫外線や摩擦、ウイルスや細菌などの外部刺激から肌を守り、肌内部の潤いを逃さない「バリア機能」を担っています。

 

角質層の「バリア機能」は、角質層が水分や油分などの「潤い」で満たされることで、本来の機能が発揮されるようになっています。

外界の環境条件によって変動することはありますが、一般的に健康な皮膚には、角質層に20~30%の水分が保たれているのです。

 

代表的な3つの保湿因子である「皮脂膜」「天然保湿因子(NMF)」「細胞間脂質」は、角質層を潤いで満たし、バリア機能を司っています。

それぞれがどんな役割を持っているのか、詳しく見ていきましょう。

 

「角質層のバリア機能を守る3つの保湿因子」とは何か?

①皮脂膜

皮脂腺から出る皮脂と汗が混ざった「天然の保湿クリーム」が肌表面を覆い、水分の蒸発を防止する役割があります。

 

②天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)

「NMF」とも呼ばれる「天然保湿因子」は、肌の潤いの半分を占める「アミノ酸」で構成されています。水分を取り込み、保持する働きがあり、肌の潤いを維持する上で重要な役割を担っています。

 

③細胞間脂質

角質細胞同士をつなぎ、肌に水分を保つ役割を持っている「細胞間脂質」は、セラミドコレステロール、遊離脂肪酸などで構成されています。親水基と親油基を持ち、水分の層とセラミドの層が重なって配置された「ラメラ構造」が、肌の潤いを維持する上で重要な役割を果たしています。

 

 

細胞間脂質は角質層の潤いの80%以上を担っているといわれており、肌の潤いを維持する上で欠かせない保湿因子の一つです。

セラミドは、角質層の中でも特に重要な「細胞間脂質」の主成分であり、50%以上の割合を占めます。このため、セラミドは角質層の潤いを保ち、バリア機能を高めるためのとても重要な成分なのです。

 

セラミドは体内で合成されるため、外部から補うことが必要になることはありません。しかし、年齢や外的刺激によってセラミドの合成が低下し、肌トラブルを引き起こすことがあるため、スキンケアや食事からセラミドを摂取することが大切です。

 

セラミドは、肌のターンオーバー(皮膚の新陳代謝)の過程で生成されます。表皮の基底層で生まれた細胞(角化細胞)が、有棘層、顆粒層、角質層と押し上げられていく過程で、細胞の「核」を失い、死んだ細胞となって、やがて垢(アカ)として剥がれ落ちるまでを指します。

 

ターンオーバーとは、古い角質が剥がれ落ち、新しい皮膚へと入れ替わる作用のこと。この過程で生成されたセラミドが、角質層の潤いを保ち、バリア機能を高めるための重要な役割を果たしています。

 

 

 

肌のターンオーバーの中で、セラミドは顆粒層から角質層に押し上げられる段階で生成されて、細胞間脂質の中に放出されます。

 

20代の場合、肌のターンオーバーのサイクルは約28日周期と言われていますが、年齢を重ねるごとにターンオーバーの周期は徐々に長くなります。50代になるとサイクルは45日周期程度になり、セラミドの生成量も減少してしまいます。

 

 

50代になるとセラミドは20代の半分にまで減少してしまうと言われていますが、本当でしょうか?

加齢によって、肌のターンオーバーのサイクルが長くなるだけでなく、セラミドを生み出す力も衰えてしまいます。その結果、50代になると、20代の時と比べて約半分にまでセラミドが減少してしまうのです。

 

セラミドは年齢を重ねるにつれ減少し、50代になると20代の約半分にまで減ってしまうことがあると言われています。

 

セラミドが不足すると、細胞間脂質がスカスカになり、肌のバリア機能が低下して肌が乾燥しやすくなり、シワもできやすくなってしまいます。

 

そのため、年齢を重ねるにつれて、スキンケアやインナーケアでセラミドを補うことが大切になります。

 

「乾燥」でも減るセラミド。正しい洗顔&スキンケアで維持しよう

肌が乾燥すると、セラミドが減ってバリア機能が低下し、ますます乾燥してしまう負のスパイラルに陥ることもあるので、注意が必要です。

 

特に洗顔には気をつけましょう。

肌をこすりすぎて洗いすぎると、大切なセラミドも一緒に洗い流されてしまいます。

 

泡で優しく洗い、摩擦を避けることが大切です。洗顔後は肌の乾燥が進むので、素早くセラミドを配合した化粧水などで保湿しましょう。

 

 

 

 

セラミドを含んだ化粧水を選ぶときは、パッケージに記載されている成分表示をチェックし、原材料と配合量を確認しましょう。

セラミドを含む化粧品には、原材料によって4つの種類があります。

 

哺乳動物由来の「動物性セラミド」、酵母などから作られる、人のセラミド構造に似た「ヒト型セラミド」、米など植物由来の「植物性セラミド」、セラミドに似た化学合成物質「合成セラミド(疑似セラミドとも呼ばれる)」です。

 

中でも、皮膚への浸透性が高く、保湿効果が期待できる「動物性セラミド」や、人の肌と相性が良く、高い保湿効果が期待できる「ヒト型セラミド」がおすすめですが、価格はやや高くなる傾向があります。

 

また、「セラミド配合」と表示されている場合、セラミドの原料だけでなく「配合量」も確認しましょう。

化粧品のパッケージの成分表示を確認することがおすすめです。

成分表示には「配合量の多い順に記載する」という決まりがあるため、セラミドが成分表示の前の方に記載されているほど、配合量が多いことになります。

 

肌に直接作用するセラミド配合の化粧水も大切ですが、全身の肌のセラミドを増やすためには体の中から摂ることも必要です。これが「インナーケア」です。

 

 

1日に摂取するとよいセラミドの量は0.6mg以上といわれています。

最も含有量が多い「生芋こんにゃく」は100gあたり0.76mgのセラミドを含みます。他にも、米(米ぬか)、小麦(小麦胚芽)、大豆、わかめ、ひじき、牛乳などにも多く含まれているので、積極的に摂りましょう。

 

ただし、食品だけで1日に必要な0.6mgを摂るのは難しいため、ドリンクやサプリメントなどで補うことも一案です。肌のターンオーバーサイクルは長いので、インナーケアは「継続すること」で効果を実感できるようになります。

 

年齢を重ねると共に失われてしまうセラミドは、肌の保湿とバリア機能にとって重要な成分です。しかし、適切なケアをすることでセラミドを補うことができ、いつまでもみずみずしい素肌を保つことができます。