「バリア機能の低下」が肌荒れの主な原因。肌荒れ対策の方法を確認しましょう。

「肌荒れ」と聞くと何を思い浮かべますか？「乾燥」「ニキビ・吹き出物」「赤み・湿疹」や「毛穴の開き」など、様々な症状がありますが、これらの肌荒れの主な原因は「バリア機能の低下」です。肌荒れを防ぎ、トラブルから肌を守るために、バリア機能を高めるセルフケア方法を紹介します。

自分の「肌荒れ」の症状は何ですか？

「肌荒れ」とは、肌に何らかのトラブルがある状態を表す言葉であり、健康な肌とは異なります。あなたも「なんとなく乾燥している」「吹き出物ができた」といった症状を、「肌荒れ」という言葉でまとめているかもしれません。

肌荒れの原因は「バリア機能の低下」！どんな肌荒れもバリア機能を向上させることで改善できる

「バリア機能」とはお肌を守るための働きの一つで、肌荒れの原因の多くがこの機能の低下によるものです。肌荒れを予防するためにはバリア機能を正常に保つことが大切です。

お肌のバリア機能は、外部刺激からお肌を守ってくれる重要な働きを担っています。しかし、肌荒れの原因の多くがこのバリア機能の低下によるものであるため、バリア機能を正常に保つことが重要です。

お肌が「潤いで満たされている状態」であることが、バリア機能を正常に保つために必要です。バリア機能の仕組みを理解することで、どのような状態が「潤いで満たされている状態」なのかを知ることができます。

お肌のバリア機能を担う「角質層」は、皮膚の3つの層の一番外側に位置しています。この層を潤いで満たすことが、バリア機能を正常に保つために必要なことです。

保湿成分の「皮脂膜・角質細胞間脂質・NMF」は、肌のバリア機能を司っています。それぞれが持つ機能によって、外部からの刺激による肌トラブルや、肌内部からの水分の蒸発による乾燥を防ぎます。これらの保湿因子の役割を正しく理解することが、バリア機能を正常に保つためには重要です。

●皮脂膜

お肌の表面に存在するバリア機能で、汗や皮脂が混ざり合ったもの。肌を保護し、水分の蒸発や乾燥を防いでいます。

●角質細胞間脂質

セラミドやコレステロールなどの成分を含んでおり、水と油に結びつきやすい性質を持っています。この強い結びつきにより、角質細胞同士をしっかりと繋ぎ、お肌内部の水分を保持します。

●NMF（天然保湿因子）

お肌内部に存在する天然保湿因子の一つで、主成分はフィラグリンが分解して生成されるアミノ酸です。乳酸、尿素、ピロリドンカルボン酸などを含み、水分を取り込んで保持する働きがあり、お肌の潤いを保つために必要不可欠な成分です。

この3つの要素がバランスよく調和していることが、「お肌が潤っている状態」で、肌は弱酸性に保たれ、バリア機能が正常に働きます。しかし、紫外線や乾燥などの外的ダメージによって、表皮が傷ついたり薄くなったりすると、バリア機能が低下してしまいます。そのため、お肌の中の水分を保つ力が弱まり、乾燥肌になってしまうのです。さらに、外的刺激が侵入しやすくなるため、様々な肌荒れの原因となるトラブルを引き起こしてしまいます。

肌荒れの改善には、自分自身の「肌質」を知ることが大切です。

「SNSで評判が良かったスキンケア方法を試しても、あまり効果が感じられなかった」、「友人に勧められたスキンケア商品を使用したが、自分には合わなかった」といった体験はありませんか？それは、それぞれの人が異なる肌質を持っており、適切なスキンケアが異なるからです。

まず、肌荒れの原因を除去するために、自分自身の肌質を確認しましょう。肝心なキーワードは「pH（ペーハーまたはピーエイチ）」です。pHは、肌を覆う「皮脂膜」が健康かどうかの基準となる数値で、そのバランスによってバリア機能が正常に働くかどうかが分かります。pHは0～14の数値で表され、中間の数値であるpH7を「中性」とし、数値が7より小さいと「酸性」、大きいと「アルカリ性」となります。

皮脂膜の水分と油分がバランスよく保たれている理想的な状態は、pH4.5の「弱酸性」です。この数値が酸性に偏ると「オイリー肌」に、アルカリ性に偏ると「乾燥肌」になります。詳しく知りたい場合は、スキンケアチェッカーでpHを測定することもできますが、まずは自分自身の肌の特徴を把握して、肌質タイプを確認してみましょう。

肌に存在する細菌の中でも、悪玉菌である「黄色ブドウ球菌」は、よりアルカリ性を好む傾向があります。このため、肌のバランスを整えるためには、弱酸性に保つことが重要です。肌荒れの原因となることもあるので、肌の細菌叢にも注目して、肌を健やかに保ちましょう。