コラーゲンが美肌に良い理由は何でしょうか？お肌に与える効果や、コラーゲンがどのように機能するのか、詳しく知りたい方も多いでしょう。
美肌にはコラーゲンが必要ということを聞いたことがあると思いますが、コラーゲンとはどのような成分なのか、お肌にどのような効果を与えるのか、これらの基本的なことを知らない人も多いかもしれません。
今回は、コラーゲンについてわかりやすく紹介します。美肌を目指すために、コラーゲンの特徴を知り、効果的に取り入れましょう。
紫外線から肌とコラーゲンを守るために、適切なケア方法を学ぶことが重要です。コラーゲンが含まれるスキンケア製品や、食品なども取り入れて、美肌を守りましょう。
コラーゲンは美肌に効果があるだけでなく、体の中でも重要な役割を果たしています。コラーゲンが持つ機能や、不足するとどのような影響があるかなど、詳しく知っておくことが大切です。
人体のさまざまな器官を構成する繊維状のタンパク質がコラーゲンです。人間のタンパク質の約30％がコラーゲンで構成されているとされています。
一般的にコラーゲンは「肌」の成分として知られていますが、実際には粘膜、骨、靭帯、血管などにも含まれており、肌のハリを維持するだけでなく、骨を強くするなど健康や老化にも関わっています。
コラーゲンは肌の主成分と言われますが、目に見える皮膚は「表皮」と呼ばれ、ケラチンという別のタンパク質が主成分です。
コラーゲンは表皮の下にある「真皮」の主成分であり、真皮は目には見えませんが、肌のハリや弾力を維持する役割を果たしています。真皮が健康であることが肌の美しさにもつながるのです。
真皮の約70％を占めるとされるのがコラーゲンです。このことからも、コラーゲンと美肌の関係が深いことがわかります。
年齢や外的要因により、体内のコラーゲンは減少すると言われています。そのため、コラーゲンを守ることは美肌や美容、健康にとって非常に重要です。
美肌に必要なコラーゲンを守るためには、まず「紫外線対策」が必要です。
紫外線対策は、美肌を目指す上で誰でも行うべき基本的なことです。夏だけでなく、普段から日焼け止めを使ったり、日傘や帽子をかぶったりするなど、紫外線対策を心がけましょう。
紫外線対策によって、肌が日焼けするのを防ぐだけでなく、「肌の老化」にも役立つことが知られています。紫外線は皮膚に刺激を与え、分解酵素を作り出すため、紫外線対策は美肌に欠かせないのです。
この分解酵素には、コラーゲンを分解する酵素が含まれており、それによってコラーゲンが減少することが知られています。
紫外線の影響により、正常なコラーゲンの生成能力が低下することがあります。一時的に紫外線を浴びても、皮膚の修復によって元に戻りますが、長期的な紫外線曝露によってコラーゲンがダメージを受け、シワやたるみの原因になることがあります。
「光老化」と呼ばれる紫外線による老化は、加齢による自然老化よりも激しく、老化の8割が紫外線によるものだと言われています。美肌を保つためには、常に日焼け止めを塗るなどの紫外線対策が必要です。
近年注目されているのが、「コラーゲンの糖化」による老化促進です。糖化とは、糖分がタンパク質と結びつくことで老化を促進する現象です。美肌を保つためには、糖分の過剰摂取を避け、糖化対策を心がけることが重要です。
近年の老化対策で注目されているキーワードの一つが「抗糖化」です。
糖化とは、タンパク質が体温で余分な糖と結合することを指します。
この過程によって、タンパク質は変性し、老化物質であるAGEs（蛋白糖化最終生成物）が生成されます。
コラーゲンもタンパク質であるため、糖化が起こると本来の弾力を失い、肌のハリや弾力が低下してしまいます。近年の研究では、糖化が肌のくすみにも影響していることがわかっています。抗糖化による対策が必要です。
タンパク質を糖化させる糖には、「ブドウ糖（グルコース）」と「果糖（フルクトース）」があります。果糖はブドウ糖と比べ、10倍以上のスピードでタンパク質を糖化することが知られています。
果糖は、果物やお菓子、スイーツ、ジュースなどの清涼飲料水に多く含まれており、現代人は大半を加工食品から摂取しているとされています。
食品原材料表示には、「果糖ブドウ糖液糖」「ブドウ糖果糖液糖」などの表示で記載されているものに多くの果糖が含まれているため、美肌のためには、これらの摂取量を極力減らした食生活が大切です。
コラーゲンはタンパク質の一種であり、主な成分は、非必須アミノ酸の「グリシン」と「プロリン」、プロリンから作られる「ヒドロキシプロリン」という成分です。コラーゲンの経口摂取によって、コラーゲンが増えるという主張もありますが、その効果は科学的に証明されていません。
ただし、グリシンやプロリン、ヒドロキシプロリンは、コラーゲンの主成分であり、体内でのコラーゲン合成に必要不可欠な成分であることが知られています。そのため、これらの成分を含む食品やサプリメントを摂取することは、健康的な肌や健康維持に役立つとされています。
食事で摂取したタンパク質は体内で消化酵素によりアミノ酸に分解され、全身に運ばれます。そのため、タンパク質であるコラーゲンを摂取してもそのまま吸収され、利用されることはなくアミノ酸に分解されてしまうため、積極的な摂取は必要ないと考えられてきました。
しかし、最近の研究では、コラーゲンの一部がアミノ酸まで分解されずに、体内で利用される『コラーゲンペプチド』と呼ばれる物質になることが分かってきました。
コラーゲンペプチドは、先述したコラーゲンの材料的な物質であり、これが豊富に存在することで、肌を作るコラーゲンにもいい影響がある可能性が示唆されています。
実際、コラーゲンペプチドの摂取により、お肌の水分量が有意に上昇したという報告もあります。したがって、コラーゲンペプチドを含む食品やサプリメントの摂取は、美肌や健康維持に役立つと考えられます。
「美肌やコラーゲンのために摂った方がいいもの」
コラーゲンの合成にはタンパク質を必要とし、ビタミンCを補酵素として、鉄を保因子として合成されます。
ですから、美肌のために必要な「グリシン」「プロリン」「ヒドロキシプロリン」といった非必須アミノ酸だけでなく、ビタミンCと鉄分も摂取することが大切です。
特に、美白になるために必要な栄養素であるビタミンCは積極的に摂取したい成分です。
以上、コラーゲンが美肌に大切であることをご紹介しました。
美肌や健康の長期維持には、コラーゲンの損傷や衰えを軽視せず、しっかりとしたケアが必要です。
コラーゲン摂取だけでなく、ビタミンCや鉄分の摂取も忘れずに、スキンケアや食生活を意識しましょう。これらを総合的にケアすることで、美肌や健康の維持につながります。
